皮革素材グループ

竹刀に用いる皮革素材の耐久性評価

剣道の竹刀には先端の先皮および中結に伝統的に牛革が使われています。一般的に牛革は丈夫な素材ですが、中には数回使用しただけで先皮や中結が破損してしまうことがあります。 先皮・中結が破損すると、打突の時に竹が外れ、重大な事故に繋がる恐れがあります。一方で竹刀の先皮・中結の安全性や耐久性についての評価方法は定められていません。そこで本研究では、
① 牛革の耐久性を評価する方法を提案する
② 牛革に代わる安全な代替素材を開発する
ことを目的としています。

竹刀の先皮や中結の損傷の原因は、竹刀が面金に当たるためと考えられます。そこでハンマーで素材を打撃する打撃耐久性試験装置を開発し、牛革および複数の人工素材について耐久性試験およびJISに基づいた材料試験を行いました。
その結果、牛革は全般的に人工素材より機械的特性および打撃耐久性に優れること、しかし特性のバラつきが大きく、中には非常に軟弱な牛革が混在することが判りました。
そこで現在、特性のバラつきが小さく、機械的特性および打撃耐久性が牛革より優れた代替素材の開発を行っています。
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